トゥモロー・ワールド

すごい映像。こんなの作れない。と思ってしまった。

2006年の作品だったとは。ほんとうにどうやって撮ったのか、わからないとこだらけだが、そういうのは抜きにして、とてもよかった。

ある日突然はじまった、子供が生まれないという現象。原因はわからないのだけれど、人間以外の子供は生まれてるっぽい(羊とか犬とか動物がいたし)。物語はその18年後、最年少の子供が殺されるニュースから始まる。

近未来SFだが社会派ドラマのようなかんじで、移民やテロ、政治と社会問題が浮き彫りにされている。

隠れ家に病気(何も反応がない車椅子)の妻と犬と住む、主人公の友人のジャスパー。ハッパを売って生活しているが社会と断絶して暮らしている。犬と暮らす老女マリカ。主人公の元妻ジュリアンは高い理想を持ったテロリスト。

様々なタイプの登場人物が次から次へ出てきて、まったく違和感がなく、皆が印象に残る生き方をしている。人間描写がすごく好きだ。

子供が生まれない世界に新たに生まれた赤ちゃんに、皆が手を伸ばすシーンが印象的。今現在、実際そういう世界になりつつあるのに、世界の状況はなぜ変化していかないのだろうか。

クレジットラストの「Children of Men」。なんでかなと思ったら、原作の小説の原題。

※「人類の子供たち」の邦訳で出版されているが映画に合わせて「トゥモロー・ワールド」になっているとのこと。

映画と小説では主題が違うからタイトルを変えたのかも。小説のほうは少し違うようなので、読んでみたいと思う。

あと映画館で見たらもっとすごかっただろうなとちょっと惜しくなった。

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